XMLが面白い、と思ったのはもうかれこれ 7年ほど前に初めて WWW Conference で XMLについて紹介されているのを耳にしたときからだ。おそら くその直後あたりに MathMLについても知ったのだと思う。方向性として正し いことは、当時の僕にも理解できた。でも、それを表示するブラウザがなけれ ば仕方がないし、さらに言えば、表示できたところで正しい音声/点字レンダリング ができるようにならないとアクセシビリティの観点からは無意味に等しいとも 感じた。もちろん、少なくともソースを読めば理解できる、という点で大きな 進歩なのだが。そんなことを考えてから随分たったわけだが、 MathPlayer な るものが音声レンダリングに挑戦していることを知ったので、早速試してみた。
その世界 (?) ではもう随分前から存在する webwatchというメーリ ング・リストがある。そこで、 MathMLを表示するための IEプラグインの MathPlayer というやつのバージョン 2.0では、音声レンダリングのサポートも入った、と いう プレ スリリースが紹介されていた。リリースをざっと読むと、どうやら MSAA を使って MathMLの内容を提供しているらしい。
さっそくダウンロードしてインストール、しようと思ったが、そもそもイ ンストール前にどうなるかを試しておかないと、何がどううれしいのかが分か らない気がしてきた。そこで、あわてて MathMLで記述されたものを探してみ た。とりあえず W3Cにあった例 を使うことにしてみた。このページからリンクされている Simple Presentation MathML Example というのを表示させてみると、なんとなく数式っぽいも のが出てくる。しかし、それが期待された表示なのかどうかは、ソースを見な いと分からない。 (ページ上にはあるべき姿を示す画像はあるけど、僕にはも ちろん分からない。) しかし、なんといっても MathMLなんて使ったこともな いので、ソースを見ても分からないに違いない、ということで、とりあえず何 も考えずにもう一つの例、 More Complex Content MathMLを表示させてみた。マークアップを見る限り、どうやら行列が表示 されるらしいが、どう見てもそういうことにはなっていないことだけ確認。
とりあえずインストール前の確認はこれくらいにして、早速 MathPlayerを 入れてみる。同じページを表示してみると、確かに多少状況が異なる。でも、 3*3の行列のはずが、 JAWSの読み上げは単に 9個の数字を羅列しているだけで ある。うーん、これはいったい…。
気を取り直して(?) MathPlayer
2.0の新機能について書かれたページを見てみた。それによると、この開
発途上の音声レンダリング機能を使う方法として、 MSAAに対応したスクリー
ンリーダーを使う方法の他に、数式を右クリックしてから Speak
Expression
を選ぶ、という方法がある、となっている。
そこで早速後者の方法をやってみた。 SAPIの音声エンジンを使うようになっ ているようで、あのなんとも聞きにくい Microsoft speechが登場したものの、 手元の JAWSで読むよりもはるかに多くの情報が読み上げられる。ちゃんと聞 けば行列や分数も分かりそうだし、上付き文字の声は高く、など Ramanの仕事 も参考にされているようだ。とりあえず面白い。 (実用性という意味ではなん とも言えない、というよりも、そこまで評価できるほど使っていない、のだが。)
気が向いたら英語版 JAWS 5でどうなるかも試してみたい。